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それいけ!ドクターヘリ

高知医療センターでの日々と思いを、アンパンマンと高知の写真と共に綴る高知ドクターヘリのブログ

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豚舎のにおいの中で(後半) 

そのとき聞こえてきた無線は、「傷病者、接触時心肺停止」

その無線を傍受できたのは、ヘリポート着陸寸前でした。
CSの提案で、ヘリポートにはすでに医師デリバリーのための消防の車が準備されていました。
消防もいまかいまかと待っていました。連携はバッチリです
脱輪するんじゃないかと思えるほどの農道をいき、途中からは駆け上がります。そして豚舎のにおいとともに眼に入ってきたのは倒れている巨大なサイロ。安全は確保されていました。
CIMG1506.jpg

その横には傷病者と、心臓マッサージをさきほど開始したばかりの救急隊。
顔は青紫色に膨れ上がり、点状出血。その割には体幹部に明らかな外傷がありません。
外傷での心肺停止のわりには外出血もなく、きれいなからだ。

今日は、3年目のレジデントとして救急でがんばっているK松原くんにOJTで同乗してもらっていました。
緊張する現場でしたが、いつもの救急外来と同じような手順で処置をこなしていきます。
気管挿管は一発で正門から気管へ滑り込んでいきました。末梢静脈路確保で初期輸液療法とエピネフリン投与を行います。

しかし、K松原くんの手にはすでにメスが握られ、次の処置に移っていました。

イソジン消毒で黄色に染まった胸部にメスが入ります。整形外科医を目指すだけあって、すぐに肋骨が見え、肋間筋から胸腔内に至ります。骨折した肋骨に注意して外科用剪刀でさらに切開を広げるときれいな肺と心臓がみえてきました。心膜も切開しましたが胸腔内に内臓損傷はなさそうです。心臓は虚脱してまるで石のよう。
指導医に交代し胸部下行大動脈クランプして脳への循環血液量を確保しながら直接心臓マッサージを行います。

現場でのエコーは有用です。K松原くんがFASTで出血源を検索しますが心嚢内、胸腔・腹腔に液体貯留なし。骨盤の動揺もはっきりしません。

外傷性窒息ならまだまだ蘇生の可能性があるはずです。
約15分後、輸液で心臓の容量が増えてきたかと思われたとき、心臓の鼓動が戻ってきました
頸動脈も触れます。心拍再開です。
しかしまだ大動脈クランプ解除ができておらず余談を許さない状況。急いでドクターヘリの機内に搬送です。

アンパンマンが協力頂いた消防に手を振りながら、夏の空に消えていきました。


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Posted on 2011/07/15 Fri. 07:35 [edit]

category: 事案

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