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それいけ!ドクターヘリ

高知医療センターでの日々と思いを、アンパンマンと高知の写真と共に綴る高知ドクターヘリのブログ

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「俺と一緒に夜から働かんね?」 

当院は海上保安本部でいう第5管区の太平洋側の最前線にあり、また以前から病院ヘリポートを有していたので連携がしやすかったために、いわゆる洋上救急があった場合には収容要請の連絡がよくあります。

本日は当院救命救急科のローテート研修医から、事案報告していただきました



「俺と一緒に夜から働かんね?」
こんな電話が入った。繁華街を歩く黒服のお兄さんから、ではなく、我が高知医療センター救命救急科のボス、喜多村先生からだった。時刻は20時半。
「大窪ちゃん、今何しよると?」即座に、集団感染?複数傷病者の事故?ICUで急変?・・・まさか飲み会??等と頭に浮かんだ。少し緊張しながら話を聞くと、太平洋沖の漁船に腹痛を訴えている患者さんがおり、明朝の日の出に合わせて救助に行くがどうか、というものであった。

僕が研修を初めてはや2年が経とうとしており、そのうちの6ヶ月間つまり1/4を救急科で過ごしているのだが、洋上救助は案件自体が少なくいつも見送る側で、同乗させてもらえる機会などこれが初めてだった。
当然答えはYesだ。

「じゃ、3時半集合ね」
急いで夕食をとり帰宅、就寝を試みる。救急の現場は患者さんがいつ来るか分からず、寝ておける時に寝ておくのが大事である。「はい!すやっと寝てシャキッと起きてこい」学生時代に救急科の指導医に当直の際言われた言葉だ。これがようやくできはじめたと思っていたが、この日はなかなか寝付けなかった。期待と緊張の両方を感じた。

2時半起床、眠い目を熱めの風呂でこじ開けて、3時半病院集合。
3時45分には高知海上保安庁の方が病院に迎えに来て下さった。今回の事案は海上保安庁と海上自衛隊の合同作戦だと聞いた。
「マルヨンマルマルジ、医療センター出発。」
つまり4時ちょうど、定刻にて医療センターを出発し、自衛隊の待つ高知空港へと向かう。道中聞いた話では、今回搭乗させていただくのはUS-1というプロペラ機で、喜多村センター長も初だということだった。自分にとっても最初で最後となるかもしれない。
そんなことを考えてる時、目の前の上空を大きなものが遮った気配がした。

それは岩国基地から飛来してきたUS-1だった。

空港に到着し、いつもは通らない道を進み、いつもは入らない建物に入る。自衛隊からの要請により空港は全機能を活かせる体制で人員の招集がされたようである。官制のモニターにはすでに待機しているUS-1が見える。想像していたのよりだいぶ大きい。横に並ぶ一般旅客機のプロペラ機と同じ程度に思えた。実機を見て、より緊張したのは言うまでもない。

DSCF5448.jpg

明らかに旅客機のそれとは違う、実用性のみを追求したタラップをよじ登り機内に入る。途端、ピリッとした空気を感じる。機内は赤色灯の薄暗い灯りに照らされており、ふと昔見た戦争映画を思い出した。違うのは映画館の柔らかい椅子でなく実用性を追求した固めの椅子であり、いまから実際飛ぶというリアル感だ。

機内をキョロキョロ観察する間もなく、即座に自衛隊員の方と打ち合わせが始まる。現場での救助と初療などの手順、行動の整理、空港に帰ってからの患者さんの引き継ぎ方法など。この段階では患者さんをどう下ろすかは複数候補があり、まだ決められてなかった。
「その辺は臨機応変にやりますから。」
という自衛官の言葉は非常に頼もしかった。幾度とそんな現場をこなされてきたのだろう。

現場となった足摺岬から数百キロの地点までは普通のプロペラ機のような乗り心地であった。機内では普段は明らかに立入禁止区域であろう箇所や計器類がたくさん目に入ってきた。1時間超のフライト時間中ずっと何らかの確認などの仕事をこなす自衛隊員の方々。
僕は少ない情報源から傷病者の状態を想像し、処置のシミュレーション、そして持参してきた資器材のチェックをしたりしていた。現場海域まではあっという間のことで乗り物酔いになる間もなかった。かなり緊張していたのかも知れない。

現場海域は着水可能かどうかの瀬戸際くらいの荒れ模様だそうで、ずっと旋回しながらポイントを探した。打ち合わせでは、着水できなければ一度引き返して海上保安庁のヘリで再度向かう手はずだった。患者さんの状態が詳しくわからないだけに着水と早期の接触を願った。

「着水を試みます!一度目は確認して、二度目で着水しますから!」
大きな声が聞こえた。一度目の確認では窓ギリギリに水面が見え、二度目で着水した(と思った)。感じたことのない大きな衝撃にびっくりしながらもホッとした瞬間、その後も次々と同じ衝撃を体感する。

思い出したのは小学生の頃に鏡川でよくやった「水切り」だ。なるべく丸く平たい石を探してサイドスローでやるあれである。
ちょうどそのような感じで何度か揺れたあと波間に揉まれる船のようになった。海は確かに荒れており、普段乗り物酔いしないタイプだと思ってたが、ほっとした次の瞬間にはしっかり嘔気に襲われていた。
着水後、機内まで救助してくるまでは僕たちは手を出せるシーンではない。…しかし嘔気は激しくなってくる。救助ボートの用意等で慌ただしくなる機内で傷病者を増やすわけにも行かず、また患者さん救助後に少しでも役に立つよう、このときは目を閉じ回復体位をとって患者さんの到着を待った(・・・なので、患者さんが運び込まれるまでは分かりません・・・)。

患者さんは前日の昼より腹痛を訴え海上保安庁に救助を要請していた。
バイタルサインのチェック、腹部の診察、超音波検査を迅速に行う。腹膜炎の疑いがあると判断し、輸液と抗生剤を開始すべく滴ラインの確保を試みる。やはり揺れる機内での静脈路確保は難しかったが成功し、治療開始しながら離水し、雲間から射す朝日のなか高知空港を目指す。

空港では南国消防隊が待機しており引き継ぎを待っていてくれた。US-1はハッチの位置が高く患者さんが寝た状態では下ろせないので、担架に固定し、ロープと滑車で下ろす。海上自衛隊のその迅速で淀みのない行動は、本当に日頃の訓練の賜であると感じた。

「ありがとうございました。お疲れ様でした。」
そんな言葉をかけていただいたが、今の自分にはまだおこがましい感じがした。でも、いつかこのようなかけがえのない仕事をしたいと思う。今回、一緒に救助活動をさせていただいたのは光栄であったし、普段目にしない海上自衛隊活動を間近で体験でき、身の引き締まる思いであった。

この場を借りて・・・今回、このような非常貴重な体験をさせて下さった喜多村センター長、同行を許可して下さった岩国海上自衛隊の方々、様々なサポートをして下さった海上保安庁・南国消防隊・高知空港の関係者の方々、本当にありがとうございました。
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Posted on 2015/03/09 Mon. 19:43 [edit]

category: 事案

thread: 高知(土佐)  -  janre: 地域情報

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09

そらから考える地震対策 

室戸への要請。
その途中では南国市、そして高知空港を通過します。
最近になって目立つのが、これ。
DSCF0534.jpg
写真中央に鉄筋コンクリートの緑の建物があるのがお分かりでしょうか。
「津波避難タワー」です。
結構な間隔で沿岸に並んでいます。1kmもないくらいで立ち並んでおり、徒歩5分圏内で到達できるようにと場所を考えられているそうです。全部で14基あるそうで、沿岸地域の住民および、この沿岸を通る車両の方にもきっと命を救う大切な建物になると思われます。みてわかる通り周辺には高い山はありませんので重宝するでしょう。
この道路は私もときどき利用しますので、タワーの場所を覚えておきたいと思います。

Posted on 2015/02/23 Mon. 23:29 [edit]

category: 事案

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23

研修医の肉体疲労・滋養強壮に「ゼヨ」 

本日OJTでヘリに搭乗予定だった研修医の桑原先生、体調不良でして…。
DSCF0526.jpg
嘔吐で大変だそうです。
そんなときはこれですね。タウリン2000mg配合のカツオ人間 ゼヨ
カツオの香りがする気がします!と目を輝かせて一気飲みですよ

さすがっす。

ところでこのタウリン、弱った肝臓も助けてくれるそうで二日酔にも効果的。
タコやイカ、しじみにも多く含まれているようで、高知には知る人ぞ知る、「しじみラーメン」というものがあり宴会後にはかならず寄っていくというかたもいらっしゃるとか
ご存じですか?あっさりしていて自分も好きなのですが、実はタウリンたっぷりの滋養強壮ラーメンだったんですね。

これで明日には体調万全で診療に臨めますね。期待してます

Posted on 2015/01/19 Mon. 18:59 [edit]

category: 事案

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19

高知の雪化粧 

高知県はあたたかそう…、そんなふうに思い込んで来た土地でしたが、住んでみるとこれが結構寒いところなんです。
場所によってはこんな風に雪が積もっていたりします
DSCF0525.jpg

もちろん、北国の寒さには比較になりませんがヘリの中も寒いのはあたりまえ。
そのため、この時期は高知県ドクターヘリであっても機内をあたたかくする工夫が欠かせません。
また重症患者さんは体温が奪われるだけでも病態に直結することが多いですし、寒さで血圧の変動があると出血の場合は病状が悪化することもありますので、注意しています。

①機内暖房
ヘリ機内は冷暖房完備ですので離陸すればすぐに暖房をいれてもらいます。ただし高速で飛行する機体なのですきま風は多少入り込みますのでそこが難点ですね。

②加温輸液
点滴はとくにこの時期、あらかじめ人肌程度に加温した輸液を駐機場に準備しており、要請が入ったらヘリに乗り込む際にこれをとっていきます。あたたかい点滴で血液の中から温めます。

③電気毛布
ストレッチャーに乗せている毛布のなかには電気毛布が仕込まれており、要請を待っている間もストレッチャーの上を温めています。飛行中も機内のコンセントを用いて現場到着のぎりぎりまであたたかくしておきます。
救急車のストレッチャーからヘリのストレッチャーに乗せるのは外での作業になりますので、できるだけ冷気にさらさないように素早く移して、ほかほかの電気毛布でしっかりくるみます。

④アンパンマン
機内に搬送される直前に見えるのは、機体後方のアンパンマンとメロンパンナちゃんの笑顔です。

どうでしょうか。
これだけで足りない場合、さらには、フライトナースがあたたかい笑顔でつつんでくれます

患者さんにとって不安いっぱいのヘリ搬送であると思いますが、少しでも和らげられるようにスタッフ一同努力しております

Posted on 2015/01/05 Mon. 19:36 [edit]

category: 事案

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05

謹賀新年 

旧年中はお世話になりました。

取り急ぎまとめてみました2014年の当院救急搬送数(速報値)は、センター長によると

高知県ドクターヘリ出動 523件
高知県消防防災ヘリ出動(当院搬送分) 73件
救急車搬送数(当院搬送分) 3245件

となっております。

2014年は、4月に県立あき総合病院、7月に近森病院と、核となっている病院の屋上ヘリポートが次々と開設されました。
それにより当基地病院に搬送することがほとんどであったヘリ活動に搬送の幅を持つことができるようになり、フライトスタッフにはいままで以上の現場判断を求められるようになりました。
また2015年4月には高知大学医学部附属病院にも屋上ヘリポートができる予定です。

さぁ、今日も正月から準備万端で

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Posted on 2015/01/02 Fri. 13:44 [edit]

category: 事案

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02

Google mapご覧ください 

こんばんは。
高知医療センターのgoogle map、みてくださいましたか?

Google map右下のストリートビュー人型の右側をクリックしてもらうと、表示されているマップ近辺の画像をみることができるんですが、医療センターを拡大してみると、なんと。
ドクターヘリ周辺の360度風景を確認できます。駐機場からみた風景です。眺め最高です
もちろん、アンパンマン号ですよ。

もしくは、ここクリックで。

ドクターヘリ360度

Posted on 2014/12/25 Thu. 22:15 [edit]

category: 事案

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25

米軍機低空飛行訓練…。 

アンパンマンのJA6844が帰って来ました。
県内各地に飛び回っております。アンパンマンとメロンパンナちゃん、みれましたか?

それにしても本日公開された、「オレンジルート」での米軍低空飛行訓練画像すごいですね。谷間をなめるように飛行している戦闘機の姿は、動画で初めてみました。
この物部町付近は高知県の北部あたりに位置していますが、もちろんドクターヘリの飛行圏内。
もし近くをヘリが飛んでいたら、と思うとぞっとします。高速で突っ込んでこられたらよける間もなく、どうなるかわかったものじゃないです。むこうは確認しながら飛行しているんでしょうか??
米軍機飛行の時間もルートもわからないところで救急搬送しなくてはならない状況で、いままで事故がなかったのが不思議に思えてきます。

こればかりはこちらがいくら気をつけていてもなんともならないような気がします

ここをクリックして確認してみてくださいね。

高知新聞

Posted on 2014/12/23 Tue. 22:44 [edit]

category: 事案

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23

代替え機の4ヶ月間終了。 

JA6844が整備を終えて、明後日、帰還してきます
ご存じの通りドクターヘリ運航は365日休みなく行われるので機体入れ替えはその合間を縫ってやります。
明日の運航終了後に四国航空さんの本拠のある香川県に飛んでいき、装備品を入れ替えてもらって、月曜日の早朝に高知入りします。
アンパンマンつきの機体BK C-1がやっと戻ってくるというわけですね。

代替え機とはいっても中身の装備品はもちろん一緒です。
あえて言えば、代替え機のBK B-1は着陸してエンジンオフまでの時間が2分程度であったということと、無線交信が前席と後部座席で同時にできなかったということくらいですので、ヘリ活動自体はあまり変わりなかったといえます。アンパンマンがいなかったので、とっても寂しかったですが

それで今回の定期点検と整備ではなにが変わったかというと…。
ドクターヘリに、アナログ無線に追加してデジタル無線を搭載しました。
とはいっても、高知県下の消防さんのなかにはアナログ無線から切り替わっていないところがありますので実際に使用するのは平成28年度くらいになってからということになるそうです。

IMG_12342.jpg

月曜日も私がヘリ当番なので、入れ替わった装備品のチェックを入念に行いたいと思います。
JA9984、お疲れ様でした〜

Posted on 2014/12/20 Sat. 17:54 [edit]

category: 事案

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20

雲海 

こんばんは。

上司からのパワハラにより記事を書かせていただいております山本と申します。

少し自己紹介をさせていただきます。
私、救急科としての歴は浅く、後期研修医としてお勉強させていただいております。
ヘリは当センターに来てから乗るようになり、まだまだ独り立ちもできていない半人前のひよっこの取るに足らない人間です。
医者ですが、英語は全くできません。なぜなら私はJapanese SAMURAIだから。

さて、本日はなんとも体調の優れないコンディションでのフライト当番でした。
朝から「鳴っちゃダメだ鳴っちゃダメだ鳴っちゃダメだ鳴っちゃダメだ鳴っちゃダメだ鳴っちゃダメだ」と○ヴァンゲリオンばりに思っていたのですが、鳴らないにこしたことはないし誰も事案が起こって欲しくないのは一緒。だけどそんな時に鳴るんだヘリ要請。早朝の要請です。
なんだかんだで早く一人前になりたいのでなんとかヘリまで走ります。
そしてヘリポートに着くと整備士さんが親指を立てて「乗れ、ボウズ」と目で訴えてくるので乗り込みます。
ヘルメットをして、シートベルトをして、機内無線で「後ろ(医師、看護師、患者さんの空間)オッケーでーす」と準備完了の合図。
操縦士さんが「了解(`・ω・´)キリッ」と返事していざ出陣。場所は嶺北。多分左上のところらへんと、土地感ないので推測。

ばばばばばーっと飛び始めてその間に無線を使って情報収集などを行います。
どうやら脳卒中のよう。
ああしてこうしてあれがああなってこれがここでこの瞬間でこの人が茶々入れて、y=x2+tan60°、compliance=ΔV/Δ・・・などなどガリレオばりに想像を巡らせて事前の準備をしま・・・

と、ここでスタッフ一同予想だにしなかった光景が!

様々な好条件が重なってやっとできる雲海がなんとそこにあるではないですか。

雲海(うんかい)とは山や航空機など高度の高い位置から見下ろしたとき、雲を海に例える表現。山で見られる雲海は、山間部などでの放射冷却によって霧、層雲が広域に発生する自然現象による。
雲の海に山々が島のように浮かんでいるように見えることから雲海と呼ばれる。
かつては雲が遥かに見える果てしない海原のことを「雲海」と呼んだことがあった(例:「雲海沈々として、青天既に暮れなんとす」(平家物語・七)。

とかつての恩師、wikipedia先生が言っていました。
トマムの雲海テラスや竹田城が有名ですね

そんな奇跡の光景が眼前に。
下は無線を操りながら私が撮った写真の一枚です。
雲海テラスでも雲海を見たことがあるのですが、その時と同等くらいの立派な雲海でした。
操縦士さん達は雲が敵なので大変そうでしたが・・・

こんな悪天候でもうちの操縦士さんのフライトテクニックを持ってすれば現地まで行けるわけです。
少し試行錯誤しましたが無事患者さんに接触し、脳卒中疑いで他院へ搬送させて頂きました。

患者さんにとってもフライトスタッフにとってもハッピーなフライトでした
これぞハッピーフライト

幸せな気分でしたが、それを上司に善意で写真を見せた結果がこれですよ・・・
記載に1時間かかりました。超勤請求します。

以上、山本がお送りしました。
乱文で申し訳ありません。
次回はブログ主による「ドクターヘリとカツオと私」をお送りさせて頂きます。

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Posted on 2014/11/28 Fri. 20:06 [edit]

category: 事案

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28

外傷が先か、脳梗塞が先か? 

重機による挟まれ外傷で意識朦朧とのヘリ要請。

全身びっしょりでショック状態…。
体幹部には目立った外傷がなく、不穏状態であるものの右半身を動かしません。瞳孔は左右差があり、外傷による脳出血が疑われました。
この時点で受傷から30分ほどしか経過していません。硬膜外血腫であれば、瞳孔が開ききるまでに早期の手術による介入が必要となり早い処置が必要になります。まだまだ若い60代の男性ですので後遺症なく治療ができれば、と思いますがそうなると時間との戦いになりますね。

ところが!
CTでは脳出血なし。
結果的に、頸動脈の途絶による脳梗塞であることがわかりました
脳梗塞で運転を誤って事故につながったのか、はたまた事故による外傷で頸動脈が損傷したのか?
この場合、受傷機転も重要になりますのでいかに関係者から聞き取りを行っていたかが問題です。

なんでもそうですが、一筋縄ではいかないのがこの世界
さらに研鑽を積みたいと思います。

アンパンマンもお疲れ様でした
DSC_0036 (1)

Posted on 2014/11/12 Wed. 06:59 [edit]

category: 事案

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12

消防学校訪問 

本日は消防学校初任科のみなさんへ、ドクターヘリについての講義をしに当救命救急センター長が行ってきました。
その締めとして、ドクターヘリを要請したとしてひとっ飛び。
消防学校のグラウンドをヘリポートとして着陸。
そこに待っていたのは、消防学校の救急車と模擬患者さん。訓練用の無線交信を行って着陸し、実際の一連の動きを、説明を交えながら診療しヘリ収容。
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その後はヘリ実機を見学していただきましたが、ただいまの機体は代替え機なので、前や後ろにいつもの元気な顔が写っていませんので、アンパンマンも一緒にのせてみました。
IMGP1527.jpg

覚知要請、着陸時の動き、医師接触後の処置介助方法、ヘリ内の資機材など、多くの学びをしていただきました。
ヘリの中をじっくり見れる機会は、そうありませんので
実践に生かしてもらえればうれしいですね。

Posted on 2014/11/10 Mon. 18:41 [edit]

category: 事案

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10

津波!そのとき、ドクへりは? 

いつか必ず来るといわれ続けている、南海トラフ巨大地震
高知県では様々な角度からその対策がとられていますが高知県ドクターヘリに関しても、同様です。

ドクターヘリの基地病院である高知医療センターは、高知市の中でもわりと海岸にちかい場所に陣取っています。
地震が起きれば津波がきます。
しかし、当院はすこし高台にあるため、想定されている浸水地域からいうとそれを免れるといわれています。

ドクターヘリはどこにあるかというと、その免れる当院駐車場からさらに一階高いところに格納庫があって、常に駐機しています。日没で運航が終わると格納庫にそのまま仕舞われます。ヘリといえども機械ですので浸水、あるいは流されてしまったら元も子もありません
地震がおきれば津波が来る前に離陸できればいいのですが、肝心なのがパイロット。ご存じの通り、ヘリは自動で離陸したりはしません。
そのために四国航空さんは、当院の敷地内にある官舎に必要な人員を住まわせるようにしました。そうです、ヘリがすぐに対応できるようにするためには、ソフト面として、CSとパイロットが対応できるようにしなければならないんですよね。
ヘリは365日運航ですが、日没後は四国航空さんの職員も帰宅します。近くに四国航空さんがいれば、日没後でもヘリが津波を免れることができる可能性がある、というわけです。

ちなみにアンパンマンも24時間、格納庫で待機中です
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そうそう、もちろん、救命救急センター長も官舎に住んでいます
職員全員が、というわけにはいきませんが、官舎はなかなか快適なようですよ。

Posted on 2014/10/27 Mon. 19:05 [edit]

category: 事案

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台風19号近づく。 

高知市内は9時くらいから雨風が強くなり、高知県の西部は台風の暴風域にはいっています。避難指示も朝から早めに出され、そのエリアメールのアラームで目が覚めた次第でした。
ドクターヘリはもちろん格納庫の中で、うずうずしながら出番を待っていますが、今日は終日難しいようです。

昨晩は当直で交通事故がいくつかあったのですが、台風接近とともに、高知市内は救急車の活動がぴったりやんでいます。台風は今晩には過ぎ去るようですので、あまり外に出歩かないようにしましょうね。
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Posted on 2014/10/13 Mon. 11:07 [edit]

category: 事案

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最終要請時刻への意識 

台風一過の高知県。本日のドクターヘリ最終要請時刻は17時00分。
DSCF0250dh.jpg

ドクターヘリは日没までにその活動を終えて基地病院に帰投しなければなりません。
秋の日はつるべ落とし
消防ごとにその要請可能時刻はかなり違ってきますので毎日の要請可能時刻の把握は必須だと思います。

本日はその17時ちょうど、そろそろ片付けようかというそのときにホットラインが鳴り響きました
脳卒中疑いです。
脳梗塞であれば時間との戦いになり、その差は歴然としています。ヘリであれば7分の距離でも、救急車搬送しかないとなれば、30分以上の時間がかかります。
救急隊はそれぞれのオーバートリアージとの葛藤の中でヘリ要請可能時刻を考えながら活動にあたりますが、今回もいい活動ができました。

Posted on 2014/10/06 Mon. 23:56 [edit]

category: 事案

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06

CSのお仕事 

 今日も高知県ドクターヘリは有効活用されていますが、これもひとえに消防の判断と要請があってこそ。
 たとえばドクターヘリで5分圏内の胸痛、現場での12誘導心電図と心エコーで前壁の急性心筋梗塞と診断され、当院搬送。救急外来で準備中にVF(心室細動)となりすぐに除細動を行うも難治性。心臓マッサージ継続しながらカテーテル室に直行!すぐにPCPSがまわりはじめ、閉塞していた冠血管をカテーテルで開通させました…。
 この症例、救急車で搬送されていたら、途中で心肺停止の状態になっていただろうと思われます

 こんな時、CSは消防からのヘリ要請ホットラインを受け取ったあと、ヘリのエンジンスタートの連絡を行います。高知県内の天候はすでに把握しており、基地のある県中央部は朝靄と小雨があるものの次第に回復傾向となってくるということを朝のブリーフィング(打ちあわせ)で確認済みです。

 ヘリが現場に着陸するまではCSは各部署の調整で大忙しです。航空管制への連絡、現地消防本部からの情報収集を行い、現在の救急隊の場所とこれからの動きを把握してドクヘリに無線連絡。着陸予定のヘリポート場所の無線連絡と警戒隊の有無と到着時刻を確認。追加情報が回ってくれば、隣の救急外来スタッフに伝令、などなど
 ヘリポートと消防管区の地理関係、現場の地形、各消防の対応の特徴など知っておかないとならないことはあまたで、画一的には対応できません。コミュニケーション・スペシャリストならではですね。そしてこちらのCSさんたちはヘリの操縦士の資格を持っていますので操縦士の考えも、よく伝わるようです。

 事案が一段落した後も、事後処理として時系列の記録や事務処理を行います。運航に関する問題があれば、その処理があります。一日の運航が終了すればスタッフ全員でデブリーフィングを行い、反省点などを抽出します。

 ヘリ要請がないときは、何をしているのでしょうか?
 ドクターヘリおよび消防、病院との連絡調整や運航会社との事務連絡、ヘリポート情報の整理など、やることは山積みです。ヘリ事業は365日運航ですので、もちろん勤務は交代で行われ、数日ごとに数名で担当が変わります。高知県のドクターヘリは香川県高松市に本社をもつ四国航空さんが行っていますので、高知に家のない方は、むこうから出張の形で来られています。

それから、CSさんについては、2011年8月24日の記事も参考にしていただければと思います。

このブログ、フライトナースになりたい、CSになりたい、という方からのリクエストが多く、質問に答えるようにしております
またなんなりとご質問・ご連絡おねがいしますね

DSCF02181.jpg
丘を上がってくる救急車を待つフライトナース(※文章とは関係ありません)

Posted on 2014/09/22 Mon. 18:26 [edit]

category: 事案

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22

満月とドクターヘリ 

月ですそして今宵は月がいつもより大きく、明るく見えます。
楕円形に回っている月と地球の距離が最も近くなるタイミングで、このように見えるそうです。
スーパームーン、というようです。
ドクターヘリとこの大きな月のツーショット写真を撮りたかったのですが、ドクターヘリは日没までに基地に帰投しなければならないので、日没間際に要請があった本日でさえ、月が十分でてくる時刻にはすでに格納庫の中
しかも、高知の月の出が18時21分、太陽の入りも18時21分。満月だと同時刻になってしまうんですね。
では、家に帰って月見酒したいと思います
DSCF1238.jpg
スーパームーンの明かりに照らされる、ドクターヘリ地上格納庫

Posted on 2014/09/09 Tue. 20:46 [edit]

category: 事案

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09

フライトナースの悩み 

高知県ドクターヘリのフライトナースは、現在6人。

日々の担当はひとりずつになります。
見習い期間が終わってひとり立ちすると、もちろんそれぞれのフライトナースが現場や救急車内、ヘリ機内で看護や介助、家族対応などを行うわけですが、実際にどのような感じでやっているのかをお互いにみる機会はなくなります。
ほかのナースはどういうふうにやっているんだろう…?不安のひとつです。
その環境は、お互いのやっていることをみれる救急外来とはちがうところであり、ヘリで行く現場で長くやっていると、自分のやっている順番や方法に改善点があるのかどうかさえわからなくなってくることがあるようです。

そこで、昨日はシミュレーションという形で他のナースがやっているのをみれる状況での処置介助をしてみました

CIMG91691.jpg

処置をするのはヘリポートまで来ている救急車の中が圧倒的に多いんですね。病院車を使わせていただき、狭い空間での胸腔ドレーンを挿入する場面をつくってみました。
処置の清潔さを考慮すると、どうしても入れなければバイタルに影響するというときを除いては、病院外でいれる機会はあまりないのですが、それだけにこのような想定は面白みがあります。

CIMG9182.jpg

胸腔ドレーンは、肋骨骨折や肺挫傷などで胸に血液や空気がたまることで出現する呼吸苦や血圧低下に対して、管をいれること(ドレナージ、といいます)で身体の外に排出して症状を軽減させるものです。
胸は右側、左側とあります。救急車内は左側に壁があるので、傷病者の左側に処置を行うことは右に比べればすこし難しくなります。
ベッドを右側にずらしてもらうテクニックも有効なことが、身をもって体験できました。

遭遇したことのない処置にあたった場合はとくに考えさせられます。資器材をバッグからだしてくるのも言われてから出すのではなく、準備しておく。
エア想定でやることもあるのですが、今回の目的は実際の場合どうなのか?ということ。
滅菌日切れのトロッカーや物品の包装をやぶって実際に出すことで、物品を展開する場所ひとつにしても工夫がみられました。よこの座席を整理してスペースを確保してもらう、身体の上に置くとどうなるのか?など普段の疑問がすこし解決したようでした。

CIMG91911.jpg

また趣向を凝らしながらやっていきたいと思います。
でもフライトドクターも一緒の不安をかかえていると思いますので、定期的にできると、いいコミュニケーションの場になりますね

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Posted on 2014/09/04 Thu. 18:13 [edit]

category: 事案

thread: つぶやき  -  janre: ブログ

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JA6844しばらくお別れ 

アンパンマンが描かれているドクターヘリの機体、JA6844が夕方、高松空港に行ってしまいました。
我が子を送り出す気分でした。
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これから約4ヶ月間、耐空検査とデジタル無線交換にドック入りです。長いですが四国航空さん、宜しくお願いいたします。
ドクターヘリの運航自体は、代替え機が明朝きますのでまったく問題ありませんがやはり淋しいものですね。

Posted on 2014/08/31 Sun. 19:25 [edit]

category: 事案

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夏。近森病院さんへの受け入れ訓練 

あちらに見えるは浦戸湾、向こう岸には高知医療センター。ここ、近森病院までは3分もかからずに到着。
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近森病院さんの屋上ヘリポートです。夏空のもと、青と白の近森コントラストが鮮やかに映えていました。
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というのも…
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高知医療センター救命救急センター長を傷病者役として、本日、近森病院さんへのヘリ搬送受け入れ飛行訓練が行われました。
「訓練連絡です。高知ドクターヘリ1より近森病院。46歳男性、交通事故で左下腿開放骨折の患者さんの受け入れ、よろしいでしょうか?」
訓練では近森病院の救急外来に設置された医療無線で交信がなされ、最新の患者さん情報を送信後に着陸。ダウンウォッシュの影響はどうだったでしょう??

着陸1分30秒でドクターヘリのローター停止後に屋上へリポートにせりあがってくるエレベーター。
一つ下に下りたホールで引き渡しをおこない、患者さん(センター長)は「痛いー!」と連呼しながら直通エレベーターで救急外来へ。迫真の演技にあやうく、鎮静薬が静脈注射されてしまうところでした
受け入れしていただく医師と救急救命士さんのお陰でスムーズな連携訓練がなされました。
報道関係のカメラもたくさんきていただきました。
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高知県の病院で屋上あるいは敷地内にヘリポートを所有しているのは、県立幡多けんみん病院、県立あき総合病院に引き続いて3つ目となります。
病院の近くにヘリポートや場外離着陸場を有するところはほかにもあるのですが、屋上にあると受け入れのロス時間が少なく、患者さんへの負担も全く違いますただ気になるのは、写真をみていただくとわかるように周辺への騒音問題
郊外の医療センターと違って、ここは都会。
ドクターヘリの運航時間は朝8時半から日の入りまでですので、なんとか理解を得られると嬉しいです。
9月1日から受け入れ開始予定とのこと、是非よろしくおねがいします。

受け入れ訓練も束の間、次の実要請がはいりました
センター長、あとの訓練振り返りはよろしくーーということで皆さんへの挨拶もそこそこに、そのまま離陸しました。救急外来までおりてみたかったですが、つぎの実際の機会にお願いします。

Posted on 2014/08/25 Mon. 23:01 [edit]

category: 事案

thread: 高知(土佐)  -  janre: 地域情報

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二基のエンジンのもとで繰り広げられる判断 

ゆーいちです。台風が過ぎ去り朝晩の冷え込みがぐっと感じられるようになりましたね。バイク通勤にはちょうどいいくらいでしょうか。
アンパンマンのついた高知県ドクターヘリは、現在定期検査中。
それでも要請はどんどんきていて、代替え機もてんてこまいの日々です。

そんななか、思い出に残る搬送が。
心肺停止から直近病院で蘇生されての転院搬送ではあったのですが、なんだか様子がおかしい
気管挿管されており接触した最初に呼吸音を確かめて最適な位置にあることを確認してはあったのですが、つないでみた人工呼吸器の気道内圧がなんだか高すぎてピーピーとアラーム音が。
呼気二酸化炭素濃度をはかっても正常値ながらもSpO2の数値はどんどん下がりつづけ、バッグバルブマスクでの換気には抵抗がありました。そう、換気抵抗があったんです。でもなかなかアノ確信がつきませんでした。

我々スタッフが搭乗しているヘリの後方キャビンというのは、鉄板を隔てたその頭上に2基のエンジンがうなっていてローターも一生懸命回転して高速で飛行しているため風の音も混じり、かなりの騒音になります。身動きのとりにくいキャビン機内での観察・処置は通常の診療と比べると、すごく限定された環境になるんです

結局…嘔吐物による挿管チューブ閉塞があったわけですが、いろんな評価を組み合わせての、この判断が難しい。
そして気管挿管チューブを抜くという事は、その直後にはおそらく「ヘリ機内での再挿管」という大仕事が鎮座しているわけで、大きな決心が必要になります。リスクのある処置があるのがわかっているのに、君にはそこに向かっていく心構えができているのか。

基地病院着陸まであと5分
SpO2は下がり続けてついに70%台に


さて、どうしたら?

決心した後は早かったです。
フライトナースにインカムで状況と方針を伝え、エアウェィスコープを準備してもらいつつ、こちらでは挿管チューブを準備してセット。コミニュケーションがとりづらい環境ですので、この作業はあうんのタイミングと分担しかないのかもしれません。
チューブを抜いて、即座にビデオ喉頭鏡で確認しながら確実に声門を通過させます。
すぐさま聴診とETCO2で、仕事が確実にできたことを確認します。

病院屋上ヘリポートへはもちろん安定した状態で着陸し、エレベーターに。
ぷるるるる、るほっとしたのも束の間、一斉同報の携帯電話がなります。

次の要請がはいったようです

Posted on 2013/09/18 Wed. 17:38 [edit]

category: 事案

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